家族の介護、いつから考える?
第1回 準備編 前編|介護を考えるタイミング
「親が以前より歩きにくそうになった」「最近、物忘れが増えてきた気がする」など、家族のちょっとした変化をきっかけに、介護について考え始める方もいるのではないでしょうか。
一方で、「まだ元気だから、介護について考えるのは早い」「何をきっかけに考えればいいのか分からない」という方も多いかもしれません。
介護が必要になるタイミングは、人によってさまざまです。病気やけがをきっかけに突然支援が必要になることもあれば、年齢とともに少しずつ生活の中で困ることが増えていく場合もあります。
そのため、「何歳になったら介護について考える」という明確な基準はありません。
では、どのような変化があったときに、介護について考えてみるとよいのでしょうか。
こんな変化があったら、少し気にしてみよう
普段一緒に暮らしている家族ほど、変化に気づきにくいこともあります。
例えば、次のような様子が見られるようになったら、一度これからの生活について考えてみてもよいでしょう。
転倒することが増えた
外出する機会が減った
買い物や料理などが以前より難しくなった
薬の飲み忘れが増えた
物忘れが以前より目立つようになった
一人での生活に不安を感じることが増えた
こうした変化があったからといって、すぐに介護サービスが必要になるわけではありません。
例えば、外出が減った場合でも、「足腰が弱くなったから」なのか、「外出する必要がなくなったから」なのかによっても状況は異なります。
実際に母の介護を経験した中で、私が気になった変化の一つが「よく肩をぶつけるようになったこと」でした。
歩行そのものは問題なく、当初はあまり気にしていませんでしたが、
後に片目がほとんど見えていなかったことが分かりました。
こうした一見些細な行動の変化も、身体機能の低下を知らせるサインになっていることがあります。
大切なのは、変化だけを見て「介護が必要だ」と決めつけるのではなく、本人が生活の中で困っていることがないかを知ることです。
まずは「最近どう?」から
介護について考え始めたからといって、すぐに具体的な準備を始める必要はありません。
「最近、歩くの大変じゃない?」
「買い物で困っていることはない?」
など、普段の会話の中で本人の様子を聞いてみるところから始めてみましょう。
家族の変化に早めに気づくことができれば、必要な支援について調べたり、今後の生活について話し合ったりする時間もつくれます。
介護は、必要になってから考え始めるのではなく、「少し気になる」という段階から情報を集めておくことも大切です。
次回の後編では、介護が必要になる前に、家族で話しておきたいことについて紹介します。

